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Vol.19 決算直前の節税対策

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■テーマ 決算直前の節税対策

さて前回は創業経営者のお金の使い方:「お金はないけど、使う」をお送りいたしました。
お金を使うことで、事業を「早く」「大きく」することができるということで、
お金を使うことの大切さを述べました。

今回は、「決算直前の節税対策」というテーマで進めていきたいと思います。

節税については、第1回「税金を払わないと会社は大きくなれない」では、
過度な節税や無駄な節税は、会社の成長を遅らせますよということを述べました。

しかし、計画的な決算に基づく適切な節税は、会社にとっても利益をもたらします。

経営者にとって節税に関する基本的なことを知っておいて損はありません。

納税は支出を伴うものですので、上手な資金繰りや、
適切な資金計画を立てられるという意味でも、
本日の内容を押さえておいて損はないかと思います。

■節税(計画的な決算)に向けて必要なこと

まずは、決算の3~12か月前ほどから、適時(例えば月次で)に決算を行い、
当期の業績の着地点を探っていきます。計画的な決算や節税をするためには、
決算日の直前になってからでは限界があります。

期中のうちから、業績を予測し、納税のシミュレーションをしたうえで、
今期はどのくらいの着地にしていくのかということを検討しながら、
事業を進めていくことで、より計画的な決算(節税)に向けた選択の幅が広がります。

■節税の必要性を考慮する

そのうえで、あなたの会社では積極的な節税対策が必要かどうかを検討してください。
翌期に融資や出資などの資金調達を予定している場合や、
決算を外部に公表する予定があるような会社、また、長期的に金融機関や
投資家からの信頼や評価を集めたい会社などについては、
必ずしも税金の金額を低く抑えることが最優先とはならないことがあります。

■一番の節税は事業投資

会社の目標は、事業を行って利益を上げていくことです。
ですので、事業をより「早く」「大きく」するための支出をすることで、それが経費となり、
結果として税金が節約できるのであれば、これがベストです。

節税対策というと、いわゆる「節税のための節税」手法として、
極端なものでいえばクルーザーを買うだとかそういうことがイメージされますが、
事業投資が節税対策のファーストチョイスだということをまずは押さえてください。

来期購入予定の備品を購入するとか、採用に係る費用を前倒しでかけるとか、
広告費用を増加させるとか、事業を「早く」「大きく」するために当期中に行える
有効な事業投資がないか、検討します。

もし有効な投資を今期中に行うことができれば、
投資を行うことで結果として節税ができます。

例:
・3月決算のA社
・2月まで税前利益200
・2月末のキャッシュ200
・4月に100の広告投資を検討中
・3月の業績・収支は、広告投資を除けばトントン
・法人税率は40%とする

さてこのケースにおいて、広告投資を予定通り翌期の4月に行った場合と、
前倒しで当期中の3月に行った場合では、どのような違いで生まれるでしょうか。

ケース

上記のとおり、広告投資を3月中に前倒ししたことによって、③の税引後利益は、
120から60に減少していますが、一方で、支出が180から140へと
40削減され、キャッシュ残高としては20から60となり、40だけ多くなっています。

これで、広告投資の効果が同様に出るようであれば、
資金的には、後者の方が有利になるというのが現実です。
(もちろん、4月の広告投資は、翌期の経費となり翌期の法人税を削減する効果は
ありますが、支払は1年後であり、1年先に節税効果が得られたということになります。)

■決算直前でも検討可能な節税対策

その他、決算直前でも検討可能な節税対策として、
今回は、決算賞与・共済制度・生命保険の3つを取り上げました。

 《決算賞与》

決算直前に想定以上の利益が計上されている場合、
従業員に決算賞与を支払う会社も多くあります。

 

【長所】
・利益獲得に貢献した従業員のモチベーションアップにつながる
・決算賞与の額を当期の経費とすることで税金額を低減できる
・支出が翌期になっても、当期の経費に計上できる

 

【短所】
・節税額(40)以上に、支出(100)が生じる。
・当期の経費に計上するためには、以下の要件を満たす必要がある
(1)支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人に対して通知をしていること
(2)通知をした金額を通知したすべての使用人に対しその通知した日の属する事業年度終了の日の
翌日から1か月以内に支払っていること
(3)その支給額につき イ(以下リンク参照)の通知をした日の属する事業年度において
損金経理をしていること
⇒決算賞与の要件:(https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5350.htm
 《経営セーフティ共済(倒産防止共済)・小規模企業共済》

また、各種共済というものがあり、これらの共済に資金を積立することで
積立時にこれを損金計上できるというものです。
その他、共済に積立することで、「貸付制度」を利用できたり、
「退職共済金」を受取れたり、様々なメリットがあります。

 

いずれの共済も、掛け金の積立期間や、解約の理由などによって
解約時の手当金が変動します。

 

経営セーフティ共済:http://www.smrj.go.jp/tkyosai/
小規模企業共済:http://www.smrj.go.jp/skyosai/

 

【長所】
・経費化されるだけでなく、様々なリスクへの備えとなる
・一時に支払うことで、期末直前でも経費を作れる

 

【短所】
・積立期間や解約時の理由に応じて、解約手当金の金額が異なる(目減りすることもある)
・節税額(40)以上に、支出(100)が生じる。
 《生命保険》

また生命保険などを利用して、節税することもよくあります。
生命保険を用いた場合、節税するだけではなく、会社のリスクに備えたり、
役員の退職金見合いの積立をすることができるなど、
目的適合性があるようであれば、非常によい節税対策となります。

 

【長所】
・経費化されるだけでなく、貸付制度等の利用などができる
・一時に支払うことで、期末直前でも経費を作れる
・経費化の金額に際限がない

 

【短所】
・会社のリスクや長期的な資金繰り等を踏まえてやらないと、本末転倒となる。
・節税額(40)以上に、支出(100)が生じる。
【決算直前でも検討可能な節税対策まとめ】
税金対策

■本来の節税は、計画的な決算を進めることで達成できる

上記で、決算直前でも可能な節税対策を列挙しましたが、あくまでこれらは、
最後の微調整と考えてください。

基本的には事業計画予算を策定し、月次決算などの適時な決算を進め、
事業投資と売上の増加のバランスをみながら、
利益の額や納税額をコントロールしていくというのが最大の節税であるもいえます。

■事業の目的は、税金を払わないことではない

一方で、事業投資を最大の節税と考える以上は、
その投資後には投資効果として売上が増加するはずであって、
そういった事業拡大のスパイラルに入るべく、事業を進めていくべきです。

その場合、どうしても利益は発生し、納税は発生してしまうと考えてください。

多少の節税対策を講じることで、税金を支払わないで済むのは、
利益が一定以下の場合までです。

ところが、節税を第一の目標としてしまうと、節税のために事業とは関係のない投資を
してしまったり、効果の薄い投資をしてしまったり、事業の成長を阻害してしまうことがあります。

これは、事業の目的順位を誤った行動ですが、事業をしっかり拡大していくことよりも
税金を支払わないことを重視してしまっている会社をよくみかけます。

税金を払わないことではなく、事業投資⇒売上の増加⇒事業投資⇒売上の増加で、
事業が拡大を続けて、節税するにも限界で、計画的にやっても利益が発生し、
一定の納税はでてしまうという状況を目指すべきとお考えください。

納税は、出来る経営者なら、出ちゃいます。

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