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vol.6 創業事業者の強い味方、創業融資制度

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■テーマ 創業事業者の強い味方、創業融資制度

前回は、「資金調達したいとき、融資がいいの?出資がいいの?」というテーマで、
その決定要素は【事業の成功確率(確実性)】と【成功した場合のリターンの大きさ(収益性)】
という2つあるということと成功確率が高い事業は融資の方が望ましく、成功確率は
高くないが成功した場合に大きなリターンが期待できる事業は出資の方が望ましいというお話をしました。

今回は、前回の内容を踏まえたうえで、
「創業事業者の強い味方、創業融資制度」をお送りいたします。

■創業事業者への融資はリスクが高い

「創業するから、お金を貸してくれ!」と通常の銀行に行っても、何の信用も実績もない
創業事業者に銀行はお金を貸してはくれません。

銀行からみると、300万円貸して、たとえば年3%の金利得るリターン以上に、
事業がうまくいかず貸付金が返済されないリスクの方が高いからです。
お金の貸手からみると実績のない創業事業者にお金を貸すことはとてもリスクが高いのです。

■創業時に使える2つの融資制度

そんな創業事業者がお金を借りるためには、やはり国の制度として設けられている、
 創業融資制度を利用することになります。主に、下記の2つです。

①日本政策金融公庫の創業融資制度
日本政策金融公庫は、政府系金融機関であり現在は、
創業向けに1,500万円までの融資制度があります。                             https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html

②信用保証協会を使った制度融資
こちらは、銀行や信用金庫からの借入金に対して信用保証協会から保証を付けてもらう制度です。その対価として事業者は信用保証協会に保証料を支払います。

リスクの高い創業事業者への融資に対して、信用保証協会にそのリスクを負担してもらうことで
銀行や信用金庫はお金を貸してくれるようになります。

更にこのスキームに、都道府県市区町村などの地方自治体が
創業者支援制度を設けている場合が多いです。

例えば墨田区では、融資の申請を金融機関や信用保証協会に持って行く前に、
墨田区で事業計画のお墨付きとしての「斡旋状」をもらい、それを金融機関と信用保証協会に
提出することで「通常2.0%の金利+信用保証料」のところ、
墨田区が「1.8%の金利+信用保証料全額」を負担してくれます。
(下記リンクの「チャレンジ支援資金」)。                                    http://www.city.sumida.lg.jp/techno_city/keiei_sien/yusi/kunoyusi.html

その結果、事業者の負担は、たった「0.2%の金利」のみということになります。
ただし、地方自治体の支援制度は、同じ東京23区でも大きく支援内容に相違があります。
皆さまの事業所所在地の地方自治体の制度をお調べ下さい。

■2つの融資制度、どっちを使う?金利と金利以外に考慮するべきこと

2つの融資制度ですが、どちらを使うのが有利でしょうか。

①金利
融資の条件として、第一に気がかりなのは「金利」だと思います。
金利については、日本政策金融公庫では金利が「2.15%~3.75%」で、
担保や保証人をつけることで「0.15%~3.55%」まで下げることができます。

一方で墨田区を通して信用保証協会を使った制度融資は、
さきほどの墨田区の例ですと実質負担0.2%の金利で借り入れることができるわけです。
自分(自社)が借りる場合に金利が有利なのはどちらなのかをしっかりと確認しましょう。
(その際には、最初に支払われる信用保証料の実質負担分も加えて実質金利を計算しましょう)。

②スピード
しかしもう一点、創業の融資において重要な条件、それは「スピード」です。
つまり、融資実行までにかかる期間のことです。
創業においては、早く借りないとお金が尽きてしまうというケースが比較的多いです。
あと1か月しかお金が持たないのに、融資実行までに2か月の審査がかかるとしたら、
資金がショートしてしまいます。

「スピード」という点においては、日本政策金融公庫は一カ所の審査で済むため
2~3週間と早いです。
一方で、信用保証協会付の制度融資については自治体まで絡めると、
自治体→保証協会→金融機関と3か所の審査があり全部で2~3か月かかります。
よって、明らかに日本政策金融公庫の方が有利です。

■賢い融資の使い分け方

弊社も、融資において「事業計画の作成」「銀行との交渉」の支援について
ご相談を頂くことが多いのですが、私がいつもお伝えしているのは、
「早く必要な資金は日本政策金融公庫で調達し、長く安く借りたい資金は
金利の低い方で調達しましょう」ということです。

例えば、全部で1000万円調達したいときに、全額を政策金融公庫から3.0%で借りるよりも、
すぐに必要な設備投資資金500万円は日本政策金融公庫から借り入れ、残りについては
前述の墨田区の制度融資を用いて0.2%で借り入れるというような使い分けをした方が
金利負担は初年度だけでみても金利が13万円以上低く抑えられます。

「すぐ必要な資金」と「急がないけど欲しい資金」を区別することです。

■創業融資制度を活用しよう

いずれにしても、信用も実績もない創業事業者にとって、国や自治体の制度の一環である
これらの創業融資制度は非常に有利な制度です。

当然、元本返済と金利の支払義務は生じますが、優しい金利と
そこまで厳しくない審査(そこまで甘くもないです)で信用と実績の乏しい創業事業者
を守ってくれます。必要性はしっかりと判断したうえで、積極的に活用していきましょう。

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