2-1 紙の定款の認証
まずは紙の定款の認証の流れを見ていきましょう。
以下は紙の定款の認証の流れです。
① 完成した定款を公証役場にファックスする
② 公証役場からチェックの結果の連絡がある
③ 必要に応じて定款の修正を行う
④ チェックが完了したら公証役場に行く日付と時間を予約する
⑤ 定款を受領する
① のファックスで公証役場に送るものは、以下の4点です。
・送り状…必ず連絡がとれる電話番号を書き込む
・定款原本…実印を押してからファックスする
・発起人全員の印鑑証明書…発起人全員の身分が本物かどうか確認してもらうため
・委任状…公証役場に行けない発起人がいる場合のみ必要
② 公証役場にファックスを送ると、しばらくしてから公証役場の公証人から送り状に書いた電話番号に電話がかかってきます。公証人が記載内容に誤字脱字がないか、絶対的記載事項に漏れがないか、また事業目的や株式数など、不自然な表現や矛盾がないかをチェックしてくれます。
③ 直す部分がある時には、修正を行います。修正箇所が多いと、もう1度ファックスを送らなければならない場合もありますが、面倒がらず、完璧にしましょう。
④ 公証人との電話の中で、定款に特に問題箇所がなかったり、修正が終わったら、そのまま電話で認証日の日付と時間の予約を入れましょう。
⑤ 定款認証日には原則、発起人全員が公証役場に行かなければなりません。どうしても都合の悪い人がいる場合は委任状を作成し、他の発起人が持って行くことになります。公証役場は土日祝日がお休みのため、平日しか認証を受けられません。また公証人の業務時間は基本的に9:00~17:00です。したがって、前もって発起人たちが行ける日を選定しておくことをお勧めします。認証日当日、持っていかなければならないものは以下の7点です。
・割印済み、製本済みの定款(3通)※
・発起人全員の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内を各自1通)
・40,000万円分の収入印紙
・定款認証手数料(約52,000円)
・発起人全員の個人実印※
・委任状(当日行けない発起人がいた場合のみ)
・運転免許証、顔写真入り住基カードなどの本人確認資料
※認証日当日に発起人の実印を必要とすることはありませんが、当日、修正が入ることがあるため、それに備えて、発起人全員で実印を持参すると安全です。
定款は片面印刷で左側を2箇所ホチキスで留めます。そして、各ページごとに、発起人全員が、実印で割印をします。袋綴じにする場合は、のりで貼り付けたミミの部分と紙の部分に、表・裏両方に割印をします。