運転代行で会社設立を考えている方必見!設立のメリットや成功のポイントを徹底解説

目次

運転代行で会社設立を考えていらっしゃる方は、法人化するとどのような効果があるのか、手続きはどうすればよいのかといった具体的な疑問をお持ちの方も多いでしょう。また、運転代行業を成功させるためのポイントなども気になるのではないでしょうか。そこで本記事では、こうした疑問に答えながら、運転代行で会社設立する際に役立つ情報を詳しく解説していきます。

運転代行で会社設立するメリット

運転代行サービスで会社を立ち上げると、個人事業主では得られない多くのメリットがあります。本章では、運転代行で会社設立する4つのメリットを解説していきます。

経費の幅が拡がる

会社を設立すると、経費として計上できる範囲が広がり、事業運営にかかるコストを効率的に管理できます。個人事業主では認められない経費も、法人であれば計上できる場合があるため、結果的に手元に残る利益を増やせる可能性があります。例えば、運転代行業では、車両の購入費や維持費、ガソリン代、任意保険料、広告宣伝費などは大きな負担です。個人事業主では一部しか経費として認められない場合がありますが、会社を設立することで役員報酬や福利厚生費なども経費に含められるようになります。このように経費へ算入できる項目がふえ、事業の運営がスムーズになるでしょう。

節税効果が期待できる

法人税の税率は所得税よりも低くなるケースがあり、会社を設立すると実質的な納税額を抑えることができます。特に売上が900万円を超えてくると、個人事業主の場合は累進課税制度に基づき、所得税率が33%になります。一方で法人は800万円を超えた分の税率が23.2%のため、法人の方が所得税率で有利になります。また、役員報酬を適切に設定すると、個人と法人の税負担をバランスよく分散させることも可能です。さらに、法人では退職金制度を設けることができるため、将来的な資金確保も可能になります。このように、会社を設立することで長期的な節税対策が可能になる点は大きなメリットです。

社会的信用が上がる

運転代行業では、安全性や信頼性が重視されるため、会社設立による信用向上は大きなメリットとなります。会社を設立することで、顧客や取引先からの信頼度が向上し、新たなビジネスチャンスを得やすくなります。例えば、個人事業主の運転代行業者だと、企業やホテルと契約を結ぶ際に「信用力の面で不安がある」と判断され、契約を見送られるかもしれません。しかし、会社を設立し経営体制を整えると、法人契約が可能になり、大手企業や飲食店との提携がスムーズに進むケースも増えるでしょう。また、銀行からの融資を受けやすくなり、新規事業の拡大や設備投資もしやすくなるため、安定した経営が可能になります。

有限責任になる

経営者の責任が「有限責任」となる点も会社を設立するメリットです。個人事業主の場合、事業の負債はすべて経営者個人が負いますが、法人であれば、会社の財産と個人の財産が分離され、万が一の際のリスクを軽減できます。特に、運転代行業では、事故やトラブルが発生した場合、損害賠償のリスクが伴います。個人事業主として運営している場合、万が一の事故で大きな賠償金が発生すると、個人の財産まで差し押さえられる可能性があります。しかし、法人の場合、会社の資産が責任の範囲となるため、経営者個人の資産まで影響を受けるリスクを軽減できます。このように、会社設立は経営者のリスク管理の観点からもメリットがあります。

運転代行で会社設立するデメリット

運転代行で会社を設立すると、社会的信用が向上したり、節税効果が期待できるなどのメリットがあります。しかし、会社設立にはいくつかのデメリットもあるため、慎重に判断する必要があります。本章では、運転代行で会社を設立する際のデメリットを解説します。

法人の設立にコストがかかる

法人を設立するには、設立時に登録免許税や定款認証費用が発生し、株式会社の場合、最低でも約20万円程度の初期費用が必要です。また、事業用の車両を複数台所有する場合、法人名義でのリース契約や保険料も個人事業主より割高になる可能性があります。さらに、法人は年度ごとの決算報告が義務付けられており、税理士への依頼費用なども継続的に発生します。これらの費用を把握していなければ、予想以上のコスト増で、運転代行業の運営資金が不足してしまうかもしれません。事業が軌道に乗る前に資金繰りが厳しくなるリスクを理解し、会社設立のタイミングを慎重に見極める必要があります。

個人のお金を自由に使えなくなる

個人事業主であれば、売上があればすぐに個人の生活費に充てることができます。しかし、すると会社と個人のお金を明確に区別する必要があり、売上があっても自由に使うことはできません。例えば、会社設立後に売上が増えたものの、経費や法人税の支払いが先に必要になり、代表者自身の給与を十分に確保できず、生活費に困るという事態が起きる可能性があります。運転代行業は売上が天候や季節に左右されやすく、繁忙期と閑散期の差が大きい業界です。会社を設立したことで、急な売上減少時でも代表者個人が簡単に資金を補填できなくなる点がデメリットです。

赤字でも法人住民税の支払いがある

法人を設立すると、たとえ赤字でも「法人住民税の均等割」を納税しなければなりません。これは事業の収益に関係なく、最低でも年間7万円程度の負担が発生します。例えば、運転代行業を始めたばかりの法人が、予想以上に顧客獲得に苦戦し、初年度は売上がほとんど上がらなかったとします。それでも、法人である以上、均等割の税金は納税しなければなりません。個人事業主であれば、赤字の年は税負担が軽くなりますが、法人ではそのような措置がないため、資金繰りの悪化が懸念されます。

会計処理や事務作業に追われる

会社を設立すると、決算書の作成や法人税の申告が義務付けられ、個人事業よりも会計処理が複雑になります。日々の売上管理や経費精算、給与計算などの事務作業が増え、事業の運営と並行して行うのは負担になるでしょう。特に、運転代行業は夜間営業が中心であり、代表者も現場に出ることが多い業態です。そのため、日中に事務作業を行う時間が限られ、記帳や税務処理が後回しになりがちです。結果として、税理士に依頼することが増え、追加のコストがかかるだけでなく、税務処理のミスが発生するリスクも高まります。こうした負担を軽減するためには、会計ソフトの導入や事務スタッフの雇用が必要になりますが、それもまたコストの増加につながります。

運転代行で会社設立する手続きの流れ

運転代行業を個人事業から法人化する、あるいは法人から個人に変更する場合、必要な手続きがいくつかあります。おおまかな流れは以下です。

  1. 法人としての共済契約を締結
  2. 共済契約締結後に公安委員会へ認定申請
  3. 新認定が下りたら共済に連絡し、旧契約を解約
  4. 法人登記を行い、法人としての事業を正式にスタート
  5. 認定が下りたら共済に最終確認をし、運転代行業を開始

なお、公安委員会の認定手続き や共済契約の締結 は、順序を間違えるとスムーズに進まないことがあるため、慎重に進めることが大切です。運転代行で会社設立する際は、まず共済契約を結び、その後に公安委員会の認定申請を行う流れが基本です。この順番を誤ると、認定が下りたとしても事故時の保障を受けられないケースがあるため、手続きを正確に進めることが重要です。また、都道府県によっては、 旧認定を返納しないと新認定が下りないケースと、新認定が下りてから旧認定を返納すれば良いケースがあります。まずは、事前に警察の担当者に確認しておくようにしましょう。

参考:全国運転代行共済協同組合HP

運転代行の会社設立を成功させるポイント

運転代行の会社を設立し、長く経営を続けるためには、競争の激しい市場で生き残るための戦略が欠かせません。そこで、運転代行の会社を成功させるポイントを解説します。

他社との差別化

運転代行業界では、料金の安さだけを売りにしている会社もあります。しかし、価格競争に陥ると利益率が低下し、安定した経営が難しくなります。そのため、価格だけでなくサービス面での差別化を図ることが成功のポイントです。例えば、接客の質を向上させてリピーターを増やす施策が有効です。お客様が深夜に酔った状態で利用するシーンが多いため、丁寧な対応や安心感のある接客が求められます。さらに、リピーター向けの特典を用意するのも効果的でしょう。例えば、次回使える500円引きクーポンの配布や、一定回数利用ごとに特典を付けるスタンプカード制度などの導入も検討できます。待ち時間にお客様にミネラルウォーターやホットドリンクを無料で提供するなど、細かい気遣いが口コミを生み、リピーター獲得につながるのです。

集客の工夫

運転代行業は、リピート客を増やすだけでなく、新規顧客を獲得し続ける施策も欠かせません。しかし、多くの運転代行会社は効果的な集客方法を活用できていないため、そこにチャンスがあります。まず、SNSを活用した宣伝は必須です。運転代行は特定の地域での需要が高いため、地域密着型のSNS運用が効果的です。InstagramやFacebookの定期投稿や、地元の飲食店と提携して紹介してもらうのも有効です。また、GoogleマップやNAVITIMEのような交通情報サイトに登録すると、検索したお客様に自社の運転代行サービスを知ってもらう機会を増やせます。さらに、公式サイトを活用して、運転代行の利用方法や料金、対応エリアをわかりやすく伝えることも重要です。例えば、「深夜3時まで対応」「初回500円引きキャンペーン実施中!」といった情報を目立たせることで、お客様に利用を促すことができます。運転代行業界では、まだインターネット集客を徹底している会社が少ないため、他社よりも一歩先を行くデジタル戦略を取り、成功につなげましょう。

まとめ

本記事では、運転代行を会社設立する際のメリットデメリットや、設立の手順、事業成功のポイントを解説しました。

これから運転代行で会社設立を検討されている方が知っておくと役に立つ情報が満載ですので、ぜひ参考にしてみてください。

なお、はぎぐち公認会計士・税理士事務所では、運転代行の会社設立に関するご相談も承っております。

どうぞ、お気軽にお問い合わせください。

はぎぐち公認会計士・税理士事務所の無料相談

当社のサービスをご紹介

  • 税務顧問

    税金がいくらになるかという「税務」の視点だけでなく、より広く、どうやったら会社の資金が増えるのかという「財務」の視点から税務を見ていく点が、弊社の差別化になります。

  • 格安の会社設立と創業融資の獲得支援

    創業時の法人化の是非判定や、格安での法人設立支援、創業融資の獲得支援、クラウド会計の導入と効率的な会計体制の整備など、お客様の創業をサポートします。特に、創業融資については、金融機関との深い関係性に基づき、業界でも有数の交渉力と事業計画の作成能力による確実な資金調達を実現することが可能です。

  • 融資獲得支援

    創業融資だけでなく、既存企業の融資戦略や、融資獲得支援も得意としております。また、一時的な融資獲得にとどまらず、金融機関の長期的な付き合い方やその過程での決算の考え方や、融資のタイミングや成長過程に合わせた金融機関選定などについて、常にアドバイスをしていくことで、「与信を育てる」という企業の調達力増大に圧倒的な違いを作っていきます。

  • 業績を上げる会計・経営コンサルティング

    売上を上げることを含めた、業績改善にコミットした業界でも画期的な会計コンサルティングになります。多くの企業に画期的な改善効果を出していることで書籍も出版されるなど、効果が実証されています。弊社のコンサルの詳細は以下のページをご覧ください。

  • 決算早期化支援・クラウド会計導入支援

    業界でも最先端のノウハウによるクラウド会計導入により、大幅な会計業務の効率化を図ります。業績を上げるコンサルティングの前提となる決算早期化を実現させることで、数値を経営に活かすことの本当の効果を理解し実感される企業様が続出しております。

  • 会計事務所だから安心!スマート経理代行

    「当社の経理代行記帳サービスは、確かな専門知識と経験豊富なチームによって、貴重な時間を節約し、財務面の悩みを解決します。 お客様のニーズに合わせた柔軟なサービスで、貴重な時間とリソースを節約し、ビジネスを成功に導くお手伝いをいたします。