今すぐ実践できる!事業計画策定後のセルフコーチング術を解説

今すぐ実践できる事業計画策定後のセルフコーチングの方法を紹介します

前回の記事では、事業計画書策定の手順を解説しました。

特に、これまでの延長線上の未来ではなく、手に入れたい理想の未来を実現するための事業計画を策定していきました。

ただ、理想的な事業計画を作ったのは良いのですが、

  • 結局、計画通りに進める事ができていない。
  • 本当に実現していけるのか不安。

という経営者の方も多いのではないでしょうか。

そんな方の為に今回は、「今すぐ実践できる!事業計画策定後のセルフコーチング術」を紹介します。

本記事では、事例をふまえたセルフコーチング表も紹介しているので、実践するだけで事業計画書策定後のセルフコーチングが簡単にできるようになっています。

事業計画策定後の実践に悩んでいる経営者の方は必見です!

【この記事のポイント】

  • 事業計画実現の可能性を高めるにはコーチングの観点が重要
  • ティーチングはやり方を教えること、コーチングは考えて答えを出すのを支援すること

【この記事を読んでほしい人】

  • 事業計画策定後の実践に悩んでいる経営者
目次

事業計画実現の前に

事業計画の実現で重要な前提は自らで決めていくこと

前回の記事では、事業計画・行動計画の策定の手順について説明してきました。

本記事ではその実行について解説していくのですが、その前に一つ重要な前提があるのでお伝えします。

それは、「社長が自らで決断すること」です。

事業計画の策定については、コンサルタントなどがアドバイスして決めるのではなく、社長自らが自分の頭で思考し、やることを決断し、自分の口から宣言することが大切です。

なぜなら、実際にやるのは社長であり、会社だからです。例えば、

  • 実際に行動するとなれば、今ある仕事はどうするのか
  • 人員や工数は足りているのか
  • その人員は行動担当を引き受けてくれるのか
  • 季節的な繁忙さはないか

など、様々な事を想定して対策していかなければなりません。

コンサルタントが、ハンズオンで手取り足取りやってくれるのでなければ、社長が本当にできるかどうか、というところから決断してやっていく必要があります。

実現の可能性を高めるのはコーチング

重要なのはティーチングよりコーチング

「そうだよな、やるとしたら自分だよな。でもできるかどうか不安しかない・・・」と頭を抱えている人はちょっと待ってください。

コーチングという言葉をご存知でしょうか。

私が事業計画・行動計画の策定を支援するなかで、いかに社長に考えてもらい、いかに社長に決めてもらうか、という事を思案してきたなかで、一つの効果的な手法にたどり着きました。

それが「コーチング」です。

私が社長にアドバイスをするときは「ティーチング」ではなく「コーチング」手法で実行の可能性を高めるように心がけています。

ティーチングとコーチングの違い

まずは「ティーチング」と「コーチング」の違いを簡単にご説明します。

ティーチング:ティーチャー(先生)になってやり方や考え方を教える

コーチング:教えるのではなく質問することで、本人に答えを出してもらう

もう少し分かりやすくするために、具体的な会話から、両者の違いを説明していきます。

ティーチング

萩口

社長、事業を伸ばすために営業担当者を増やして、売上のアップにつなげましょう

社長

そうしよう

萩口

求人広告を打つといいですよ

社長

やりましょう

萩口

あと、退職を減らすという視点も重要です。

社長

なるほど

ー1か月後ー

萩口

社長、あの、営業担当者を増やす件、どうなりました?

社長

え?なんだっけ?そんなこと言ったっけ

コーチング

萩口

社長、事業を伸ばすためにできることは何ですか?

社長

まずは営業担当者を増やすことかな

萩口

なるほど、営業担当を増やすために、できることはありますか

社長

採用媒体として〇〇を使った場合が、一番採用できているから、そこに予算をかける。あとは、紹介会社のフィーをアップして紹介を促進しようかな

萩口

いいですね。
①採用媒体への予算拡大
②紹介会社へのフィーアップ
ですね、他に何かありますか

社長

他は思いつかないな

萩口

では、採用を増やすだけじゃなくて、退職を減らすという観点からはいかがですか

社長

そうか、退職を減らすために・・・

ー1か月後ー

萩口

あの営業担当を増やす件、どうなりました?

社長

そうそう、媒体から〇名応募があって、紹介会社からは・・・

私のコンサル経験からいって、ティーチングのように人からアドバイスされたことは、頭に入っていかないですし、記憶に残りにくいんですね。

本当に自分の頭で考えた事ではないので、覚えていません。

一方、コーチングは「実現するにはどのような方法がありますか?」とこちらから、様々な角度からの質問を投げかけ、社長の頭の中にある業界知識や会社内部の情報をふまえてもらったうえで、「これだったらできる」と答えてもらっています。

私は数字のプロですが、社長はその業界や会社の事については誰よりも深く知っているはずです。

そこに質問をして、考えてもらうという手法です。

社長は質問に答えることで、思考が加速します。

さらに、自分の頭で考え、自分で言葉にするので、実行可能性が飛躍的に高まるのです。

それに、「自分で言ったからにはやらざるを得ない」という意識付けにも効果的です。

そして実は、この質問を作る際にも要素分解を使っています。

売上=営業担当者の数×1人当たりの成約数③

営業担当者の数=各月の数+採用数①-退職数②

①採用を増やす ②退職を減らす ③1人当たりの成績を上げる

この3つを各要素に対して、

  • ①のためにやっていない行動はないですか、他に何ができますか
  • ②に対してはどうですか
  • ③には・・・

と質問しているのです。

とはいえ、経営者の方に多い悩みが、「相談する相手が近くにいない」ことではないでしょうか。

社長の悩みは社長にしかわからない、というように、自分と同じレベル感で、経営の事を考えることができる人が常駐しているケースは稀です。

適切なアドバイザーやコーチが近くにいない、という場合はどうすれば良いのでしょうか。

ではいっそう、自分で自分に問いかける、セルフコーチングで考えてみるのはいかがでしょうか。

セルフコーチングする際の質問例

事業計画を実現するためどのような行動をすればよいかのセルフコーチングをするには、次のような質問が考えられます。

  • 目標を達成するには、1年後にどのようになっている必要がありますか?
  • そのために、1か月後にはどのようになっている必要がありますか?
  • そのために、1週間後にはどのようになっている必要がありますか?
  • そのために、今日は何をする必要がありますか?
  • 1か月後、目標を達成するには何ができますか?
  • 目標と現実のギャップは何から生まれていますか?
  • 目標と現実の間で、障害になっているものは何ですか?
  • 目標達成までに必要なアクションは何ですか?
  • 全く違う視点を授けてくれそうな人は誰ですか?
  • 売上を上げる道筋として、何をどうすればよいですか?(あるいは、要素分解するとどうなりますか?)
  • 要素①をアップさせるには何が必要ですか?
  • 要素②をアップさせるには何が必要ですか?
  • それをいつまでに、誰に、どのくらいやってもらいますか?
  • (今あるリソースの中で)何が一番効果的ですか?

この質問例をもとに、ご自身の事業に置き換えて質問を考えてセルフコーチングを実践してみてください。

まとめ

弊社では創業以来から、事業計画・進捗管理のコンサルティングにも携わってきました。

これまで多くの経営者の方と関わるなかで、様々な気付きを得ました。

多くの方のコーチングを通じて、業績アップ、目標達成のメソッドが形になってきています。

今回の内容も、実際の経営課題解決に大きく役立つノウハウを盛り込んでいます。

ぜひ実践してみてください。

もっと詳しく話を聞きたい方や、コーチングを希望される方は、はぎぐち公認会計士・税理士事務の無料相談へお気軽にお問い合わせください。

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