よりよく活用するために!事業計画策定前後で取り組むべきポイントを大公開
多くの会社では、事業計画書を作成していることでしょう。
事業計画書を作成するには、少なからず時間と労力が必要ですし、必要な数字をひっぱりだしてくるのも簡単なことではありません。
せっかく苦労して作成した事業計画書ですが、時が経つにつれ意識しなくなり、忘れ去られてしまう、ということはありませんか。
また、今の会社の現在地の読みが浅く、事業計画書自体があまり意味を成していない、という残念な結果になってしまってはいませんか。
これでは、苦労して作成した時間と労力が無駄になってしまいますし、何より会社の業績改善、売上向上を成し遂げることができなくなってしまいます。
これを防ぐためには、
- 事業計画書を作成する前の準備
- 事業計画書を作成した後に、事業計画書を見続けられるようにする工夫
が肝心です。
ではそのために何をすればよいのでしょうか。
そこで本記事では、事業計画策定前後で取り組むべきポイントを解説します。
紹介したポイントを実践しておけば、事業計画の効果を何倍にも増加させることが期待できます。
会社の業績改善、売上向上を成し遂げるために、取り組むべきポイントをしりたい経営者の方は必見です!
【この記事のポイント】
- 事業計画策定前に取り組むべきことは、社外環境分析と社内環境分析
- 事業計画策定後に陥りがちな状態は、業績が悪くなると数字を見たくなくなってしまうこと。その改善策は、①関係者に公表する②外部の専門家と共有する③社長が見る数字合を分かりやすく加工する④数字を変えて実験してみること
【この記事を読んでほしい人】
- 事業計画をフル活用して業績改善に役立てたい経営者の方
事業計画策定前に取り組むべきことは
実際に事業計画を策定する前にやっておきたいことがあります。
それは、自社が置かれている世界環境と、自社が持っている強みや弱みを分析することです。
これを事業計画策定前にしておくと、よりよい事業計画の策定ができるようになります。
社外環境分析
社外環境分析は、自社が置かれている世界の環境の分析です。
まずはその「世界」を3つに分けると以下のように分けられます。
- 社会、経済、国や法制度などマクロの世界
- 業界、関係業界、競合他社など業界内の世界
- 自社のお客様が置かれている世界
次に、図1のようにそれぞれの世界で起きていることは自社にとってチャンスか脅威か、を判別していきます。
これによって世界の事象に対して社長が脅威の存在に気づき、備えることができるようになるのです。
同時に、ビジネスチャンスにも気付けて選択しながらチャレンジすることができるようになります。
社内環境分析
社内環境分析については、現在ある「強み」と「弱み」を分析し、それぞれを「そのままでよい」ものと「改善・強化していく」ものに分類します。
一定以上の規模・組織のある会社については、会社の機能を
- 経営計画
- 財務
- 商品
- マーケティング
- 営業
- 業務
- IT
- 人事採用
の8つに分けてそれぞれの機能について現状分析したり、課題になるところ、整備されている分野とされていない分野を整理したりもします。
社外環境分析と社内環境分析は、事業をどの方面に進めていくのかについて議論する前に、まずは現在の自分たちが立っている場所を明らかにする意味で非常に重要です。
なぜなら、世の中の流れに逆らって事業を展開しても、世の中に受け入れられなければ、売上は上がりませんし、自社の強みを出せる物でなければ競争優位には立てないからです。
まずは自社を取り巻く世界と自社の現在地を分析することで、より勝算の高い事業計画を立てていくための土台を作っていきます。
事業計画策定後に陥りがちな状態と改善策は
計画を立てて、上手くいっているうちは見ていたけれど、下回ってからはだんだん見なくなって、期末には「ああ、そんな計画作ったっけ、懐かしいね」と無かったことになっている、そんな経験はありませんか?
数字を見続けたほうが良いと分かっていても、「見続ける」事が難しい、そんな体験は社長なら誰でも身に覚えがあるはずです。
業績が悪くなると数字を見たくなくなってしまう
数字は、良くも悪くも、現実を突き付ける客観性を持っています。
だから、良い時は良いのですが、悪い時には直視し続ける事が難しくなっていきます。
「計画ではこういう数字だったんですが、今はこういう数字です」
人は数字が目標とかい離してくると、現実に直面する事から逃げたくなるものです。
「本当にこのままだとやばい。従業員を守れないし、事業が無くなってしまうかもしれない。そんな恐怖を突き付けてくる数字とは直面したくない。逃げたい!」
その気持ちは、よく分かります。
でも、社長は数字が悪い時ほど、数字を見て、数字の声に耳を傾けるべきです。
なぜなら、やばい、ということを数字がいち早く教えてくれるからです。
そして、どの要素が業績悪化の原因になっているのかについても、適切な計画を作っていれば、数字が教えてくれるはずです。
放っておくと事態はさらに悪化してしまいます。
勇気を持って向き合うのが早ければ早いほど、傷は浅くリカバリーが可能です。
数字に直面する事がどんなにきつくても社長である以上「どうしたらこの差を縮められるだろうか」と知恵を絞ってやっていくしかないのですよね。
悪い時こそ、数字を味方に付けてください。
危機的状態に早く気付けますし、何カ月もつのかという時間的な猶予も教えてくれます。
今後いくら売上を上げたら資金が減らなくなるのか、といった改善目標も教えてくれるでしょう。
数字から目を背けるのではなく、友達でい続けることができるのなら、数字は最後まであなたに寄り添ってくれて、有益な情報を与え続けてくれます。
数字が見たくなくなった時の改善策4選
では、数字を手放さず、見続けるにはどうすればいいのでしょうか。
私も多くの社長と向き合ってきましたし、自分自身でも数字から目を背けたくなる体験も沢山してきた中で、いくつかのコツを発見しましたので紹介します。
その1 関係者に公表する
ダイエットブログのように「誰かに見せる」前提でいると、強制力が働いて、数字から目を逸らさずに済むようになります。
上場企業は4半期ごとに、ステークホルダー(株主や投資家などの利害関係者)に数字を公表しているので、社長は数字から目を逸らせません。
これにならって、御社の関係者に「これからは数字を公表する」と宣言すれば、半強制的に数字から目を逸らすことができなくなります。
関係者というのは従業員という場合もあれば、役員、メンターなど、社長や会社によって様々でしょう。
私の顧問先でも、社長が計画を年始に公表している会社は、常に行動計画の達成に対しコミットをもって取り組んでいます。
また、社内にも周知されているので、従業員もその計画を達成するため、1人ひとりが役割を自覚して動いているという効果も出ているようです。
その2 外部の専門家と共有する
従業員に数字の情報を出したくないという社長には、私たちのような外部専門家がコンサルタントとして聞き役になることも多いです。
社長が「無かったことにしよう」としても、私たち外部専門家がその計画を手放さないで、社長へコミットし、力づけ続けていきます。
社長のコミットを聞いて、応援し続けてくれるというコミットリスナーの役割だけでも、私のような外部専門家の存在は社長にとって大きいと感じています。
その3 社長が見る数字合を分かりやすく加工する
数字の声がもっと聞こえてくれば、数字を見るのがたのしくなります。
社長が見る数字は会計の試算表そのものではなく、会計書類+追加の情報を加えて加工して、社長にとって知りたいことが分かるものにすることをおすすめします。
経理や会計事務所などと相談して、社長がレビュー出来る資料を作ってもらうことで、自分が興味のある数字を見ることは社長にとって苦ではなく、楽しみになるかもしれません。
その4 数字を変えて実験してみる
例えば、
「もしこの商品の単価を〇円変えたら全体の売上はどうなるか」
「もしキャンペーンを行ってこの商品にテコ入れすることで、10%売り上げが上がったらどうなるか」
など、「もしも」を仮定し、数字をいじることで、様々な想像が広がりますし、多くの気づきが生まれます。
社長の意思決定の指標を入力すると全体の数値が置き換わるようなシミュレーションの資料があれば、数字をいじるのがむしろ楽しくなってくるかもしれません。
数字と一緒にいれば必ず成果はでる
経営は生き物ですから、計画を立ててもその通りにはいかないのが常です。
想定外の事態に耐え切れず、「ごめん、今月は数字を手放しかけていた」という月も出てきます。
しかし、毎月見直していけば、今月は手放しかけても、来月は再び数字と向き合うことができます。
つまり、短期的に離れることはあっても、長期的には「引き起こす未来」からくる事業計画・行動計画を手放さずに済みます。
毎月「来月どうする?やる?やらない?」と行動をアップデートしていくことで、日々の行動が未来からくるパワフルなものになり、「引き起こす未来」が近づいてくるのです。
まとめ
本記事では、
- 事業計画書を作成する前の準備
- 事業計画書を作成した後に、事業計画書を見続けられるようにする工夫
について、ポイントを解説しました。
紹介したポイントをおさえれば、会社の業績改善に役立つはずです。
ぜひ、取り組んでみてください。
もし、記事を読んだだけでは実践するのが難しいと感じられた方は、はぎぐち公認会計士・税理士事務の無料相談へお気軽にお問い合わせください。
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