数字に心が折られがちな人必見!知らないと損するマインドと心構えを伝授
多くの会社は当たり前のように、今年の目標・今月の目標といった、数値目標を作成するでしょう。
数値目標がないと、何をどのように行動すればよいのかわからないので、目標が持てて良い反面、数字で出してしまうと「達成」「未達」が明確になってしまいます。
達成できれば嬉しく、未達だとがっかりして、数字に一喜一憂する光景が当たり前のように繰り広げられています。
月半ば、目標を達成していれば、意気揚々と仕事に取り組むことが想像できますし、
明らかに目標数字から後れを取っているようであれば、むしろモチベーションが下がってしまうなんてこともあるかもしれません。
本記事では、数字で心が折られないために、数字をどのように認識すべきかを解説しています。そして数字と向き合うためのマインドや心構えを紹介しています。
良い時はいいけど、悪い時は心が折られてしまってやる気が無くなりがちになるという経営者の方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
【この記事のポイント】
- 数字に心を折られないようにするには、数字はただの客観的事実を伝えているだけのものと考えることが大切
- 数字を有効的に活用するには、そもそも計画通りに行くはずはないと考え、数字や行動の計画は1年ごとに見直すスタンスでいること。
- 事業計画は強気でも弱気でもどちらでもいい、個性に合わせて選ぶべき。大切なのは計画の達成ではなく、自社の成長。
【この記事を読んでほしい人】
- 数字に心が折られがちな経営者の方
数字に心をおられないために必要な考え方とは
私たちが数字を見て心が折れるのは、目標や計画と現実との間にビハインド(後れを取っている状態)が発生している状況に直面した時です。
現実が数字を上回っていれば何ともないものが、現実が数字を下回ってくると、「もう見たくない」「嫌だ」と数字から目を逸らしたくなってしまいます。
その気持ちは痛いほどわかります。
かつては私の会社にも、数字から目を逸らしたくなる状況がありましたし、なんといっても数字は正直です。
数字との関わりあいのなかで、無力や非力を痛感させられる事は、しばしばあるものです。
数字が伝えているのはただの客観的事実
数字を見る時、進捗管理をする時、一番大切なことは、数字は「良い」とも「悪い」とも喋ってはいない、ということです。
数字自体は社長を攻めているわけではなく、ただ、数値化した事実を伝えているだけです。
多くの人は、数字を達成していれば「いい、すごい」未達であれば「悪い、辛い」となってしまうものですが、その「いい」「悪い」は私たちが勝手に感じているのです。
「もう達成できない」と諦め、「自分はだめな社長だ」と意味づけをしているのは、数字ではなくて社長自身なのです。
数字を有効的に活用するコツとは
「数字はただ教えてくれているだけだ」という事実に気づくことがコツです。
そこには良いも悪いもありません。
全然達成していなくても「ダメ社長だ!」なんて数字は言いませんよね。
数字はその声を聞き続ければ、いつだって社長の味方でいてくれることを忘れないで下さい。
できれば目を逸らしたい、と内にこもってしまう社長のメンタルごと、改善の余地があるポイントです。
ビハインドがあるなら、まずはそれを受け入れる。
そして、要素分解も使って、原因分析をする。
改善すべき箇所がわかったら、それに取り組んでいけばいい、ただそれだけのことです。
数字が予算未達だったら、それを悪いとはせず、
「そうか未達だったな。何が未達の原因だったんだろうか」
「じゃあ、どうしたら、予算を達成できるかな」
と、ただこれらのことを考えてください。
そして、今までとは違う行動を何か一つでも二つでも進めてください。
「あーおれはダメな社長だ」
などとやけになって、忘れたいからといって飲みに行ったり、布団にもぐりこんだりしている場合ではありません。
あなたはダメ社長ではありません。
本当にやるべきことは、今この数字を受け入れ、これから何をするか、です。
そもそも計画通りに行くはずがないと考えておく
- やろうと思っていた事業の担当者が、実家の親が倒れて退職した
- 新型コロナの影響とかで、世の中が変わって、店の売り上げがガクンと落ちた
- 海外から輸入している材料が高騰している
- 職人の採用数が足りなくて、請けたくても仕事が請けられない
このように、さまざまな理由で、計画を達成できないことに悩んでいませんか。
計画通りやり遂げるぞと思えば思うほど、その通りにならずに気持ちが凹む。
わかります。
しかし私はむしろ、「中小企業が立てた計画が、計画通りに行くなんて思ってはいけない」くらいに思っています。
自社特有の事情から、全世界共通の事情まで、さまざまな不測の事態が、計画通りに行くことを阻んできます。
そんなときには、計画通りでないことを「悪い」と思わないことが重要です。
そして、
- 計画との差異原因を分析する
- 差異原因が合理的であれば、それをみて記録する
- 差異原因について、改善が可能であれば、改善の行動を計画する
- 差異原因が不明であったり、異常であれば、それが会計のミスなのか、事業の方で想定外の事が起きている可能性があるので、原因がわかるまで調査する
これらをたんたんと実行するのです。
大事なことなので何度も言います。
大前提として、「物事は計画通りにいかない」と思っていたほうがいいです。
ましてや、初めて事業計画を作った会社であればなおさらです。
計画通りに実行することよりも、計画を作り、進捗管理をすることで、行動がより成果をだすパワフルなものになる。
その結果、数字も改善していく。
このように考えてみてください。
計画はノルマではなく、パワフルな行動のガイドラインなのです。
変わらずに変わり続ける
繰り返しますが「世の中も計画も常に変わる」と思っている位がちょうどいいです。
そもそも「〇年後、こうなっていたい」と未来に合わせて作った事業計画です。
計画を実行していく程に、現実が望んでいる未来の方へ引き寄せられていき、策定時と前提条件が変わっていっているはずです。
数字と現実と合わなくなってしまうので、見直さざるを得ない、というのが実情です。
変わることに対して、抵抗感や罪悪感を持っている人は少なくありません。
不易流行、流されないことが価値というのも確かです。
「変わらないことは、変わり続けるということだけだ」
私は社内向けの事業計画発表の際にこう言い続けています。
計画は1年で見直す
事業計画・行動計画は、1年程で見直す事をおすすめしています。
というのも、計画策定時に5年後を描いたとすれば、それを踏まえて1年過ごした後では、社長も会社も成長しているはずなので、そこから描かれる4年後は変わってもいですよね。
チャレンジングな計画であれば、さまざまな行動を実施した結果、計画との乖離が発生し、それを踏まえた行動計画の変更が、1年間の間に起こるのが通常だと思います。
もし計画を5年間変えずに運用できるのだとしたら、計画策定と実施能力がすごく高い人なのかもしれません。
もしくはそもそもチャレンジングな計画ではないのかもしれません。
私は少なくとも1年に1回は計画を見直しています。
そして新たに、3年後、5年後を描く、それが1年前の計画と一致していてもいなくてもいいのです。
むしろ変わっていて当然でしょう。
計画は1年経ったその時点で、計画の達成・未達や時代のトレンド、1年間の行動の結果から見えてきたものなどを踏まえ、改善されたり、変更されたりするべきなのです。
進捗管理は直近1年分について月次でやっていきますが、1年で見直されるのであれば、2年目以降は年次計画で作成してもよいと思います。
続いて、計画を見直す時のそれぞれの項目(数字目標、行動目標)についてどのような基準で変更していくかを解説します。
数字
大きな変化がない限りは、差異が出ても当初の数字はかえません。
しかし、ビジネスの前提を覆すような事由が起きた時には、すぐに計画変更を行いましょう。
行動
策定時には予測できなかった事由(人員の変化、顧客の変化など)や毎月の状況を踏まえて、来月何をするかというところから行動を決めていきます。
もちろん当初の計画が元になりますが、やるのか、やらないのか、は毎月新しく決めていくイメージです。
行動計画は、策定時には知り得なかったり予測しきれなかった状況が出てきます。
策定時には重要だった行動が、次のどれかに当てはまっていないでしょうか。
- 流行が過ぎて陳腐化している
- やってみたが、効果が出ないとわかって、形式的になっている
- リソースの減少によって、今はここまで手が回らない
- 行動したことにより前進し、より良い新しい行動が生まれている
これらを無視するのではなく、見直しの際の判断基準とします。
「できない」もしくは「重要ではない」と判断されたのであれば「これはやらない」「代わりにこれをやる」というように、その都度パワフルに意思決定をしていけばよいのです。
事業計画は弱気と強気、どちらがいいのか
事業計画のコンサルティングをしていると、社長の癖というか、個性というか好みが見えてきます。
弱気で控えめな計画を立てる社長、超チャレンジングで強気な計画を立てる社長、キャラクターはそれぞれです。
そして、弱気の事業計画を立てた場合でも、達成する社長もいれば、達成できない社長もいます。
強気の事業計画を立てた場合も同じです。
- 強気の計画で達成した
- 強気の計画で達成できなかった
- 弱気の計画で達成した
- 弱気の計画で達成できなかった
「強気・弱気」「達成・未達」でわけると、上記の4つの結果しかありません。
ではここで、皆さんに質問をします。
この4つの結果のうち、どれが正解だと思いますか?
答えは、「どれでもいい」です。
ここで考えて欲しいのは、「達成するかどうか」ではなく「現実の数字がよくなるか」ということです。
思い出してください。
この事業計画は元をいえば、作らなくてもいいものです。
上場企業が株主のためにつくるものでも、融資を受けるために作るものでもないのです。
欲しい未来を手に入れるために、誰に見せるためでもなく作る事業計画です。
だから、達成したかどうかなんて、どちらでもいいのです。
無責任に聞こえるかもしれませんが、もともと計画は非現実の世界のことで、あるのは現実の数字だけです。
数字は使うもの、個性によって使い方が違っていい
数字に対する感覚は1人1人違います。
例えば、野球を見に行った時に、あなたが応援しているチームがどのくらいのスコアで勝つのが一番嬉しいですか?
「10対0で圧勝の方が最高だ」という方もいれば、「2対1くらいの渋い勝ち方が一番嬉しい」という人もいるでしょう。
私の理想は、2対3で負けていて、最後は9回表までいって4対3で勝つという逆転勝利が一番気持ち良いですね(笑)
こうした数字に対する感覚は事業計画書にも表れていて、私の事業計画はいつも強気で、多くは達成できません。
しかし、ビハインドにいる方が私の場合、パワーが出るんです。
ビハインドという状況に引っ張られながら行動にパワーを注ぎ続ける。
だから、現実の数字が良くなります。
逆に、私は達成してしまっていると「まあいいや」と油断してしまいます。
私のように強気でいきたい人がいる一方で、計画よりも上振れする状態で推移したい社長もいます。
ある社長の事業計画はかなり堅実で「計画を軽々達成して、上振れしている自分が気持ち良くて、上振れをしているとさらにリードを広げたくなる」と言います。
その会社は今すごい成果を出しています。
つまるところ、計画が強気でも、実際にあるのは、現実の数字だけです。
そして計画の数字は、あなたの会社の現実を良い方向に向かわせるために利用するだけです。
ノルマでもあければだめだと証明するためのものでもありません。
慢心させたり、油断させたりするものでもないのです。
クリアすることに喜びを感じる正確であれば、そのように数字を使えばいいですし、逆に目標を高く掲げてその実現が困難であるほど燃えるタイプなら、そのように数字を使えばいい。
数字の使い方も社長が好きに決めればいいのです。
大切なのは達成ではなく成長
いずれにせよ大切なのは、達成ではなく成長です。
未達であることで、「できなかった」と落ち込む必要はないのです。
数字に引っ張ってもらいながらやってきた行動によって得た成果をみる。
振り返ってみると「今年はこれができた」「これが前進した」というように「できたこと」しか存在しないはずです。
できなかったことは、元々存在していないのです。
やるなら来年やればいい。
「皆のお陰で達成できたよ」
そうやって笑い、周囲に感謝しながら、社長も社員も会社の成長を喜べたらいいと私は思っています。
まとめ
数字が良い時はいいけど、悪い時には直視するのが辛く心が折られてしまう経験は、どなたにも良くあることではないでしょうか。
そこで記事では、数字で心が折られないために、数字をどのように認識すべきかを解説しました。
また、数字と向き合うためのマインドや心構えも紹介しました。
今回紹介したものは、すぐ実践できる事ばかりですので、ぜひ、取り組んでみてください。
もし、記事を読んだだけでは実践するのが難しいと感じられた方や、もっと具体的に相談してみたいという方は、はぎぐち公認会計士・税理士事務の無料相談へお気軽にお問い合わせください。
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