サラリーマン・個人事業・法人で、税金はどう変わる?

サラリーマン・個人事業・法人で、税金はどう変わる?
目次

■テーマ サラリーマン・個人事業・法人で、税金はどう変わる?

起業するときの一つのテーマとして、
『「個人事業主」ではじめるか「法人」を設立するか』という大きなテーマがあります。
これについては、
以前のブログ「いざ起業!個人事業主から法人化のメリット・デメリット」
で記載した通りです。

本日は、個人事業主と法人、そして、サラリーマンの3者について、
税金との関係がどう異なってくるのかについて、まとめてみたいと思います。

■法人と個人では、課せられる税金が異なる

法人には法人税が課せられ、個人には所得税が課せられます。
課せられる税金が異なるということは、税率が異なるということです。

下記に所得税率と、法人税率を示しましたが、法人税と所得税ともに、課税対象の金額が
上がるほど税率も高くなる点では共通ですが、その段階や金額は下表のように異なります。

・法人税率

スクロールできます
区分適用関係(開始事業年度)
平28.4.1以後平30.4.1以後平31.4.1以後令4.4.1以後
資本金1億円以下の法人など年800万円以下の部分下記以外の法人
15%

15%
15%15%
適用除外事業者19%19%
年800万円超の部分23.40%23.20%23.20%23.20%
上記以外の普通法人23.40%23.20%23.20%23.20%

参照:国税庁|No.5759 法人税の税率

・所得税率

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課税所得金額税率控除額
1,000円~1,949,000円5%0円
1,950,000円~3,299,000円10%97,500円
3,300,000円~6,949,000円20%427,500円
6,950,000円~8,999,000円23%636,000円
9,000,000円~17,999,000円33%1,536,000円
18,000,000円~39,999,000円40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

参照:国税庁|No.2260 所得税の税率

■法人の税制上のメリット

 ①法人は、社長の役員報酬を経費にできる

法人が個人事業よりも税務上有利なのは、社長の役員報酬を経費にできるという点です。
役員報酬自体は、社長個人の「給与所得」となり、所得税の課税対象となります。

 ②法人の役員報酬は、給与所得控除を使える

「給与所得」は「事業所得」と比較して、給与所得控除が使えるため、役員報酬1000万円を会社の
経費にしたとしても、給与所得控除220万円が使えるので、給与所得は780万円となります。
これも個人事業よりも法人の有利な点です。

サラリーマンも給与所得控除は使えますが、必要経費を計上できる事業主の方が、
税制上は有利といえます。
法人は、役員報酬に対しては法人の経費としながら、社長個人の所得としても
給与所得控除を使うことができ、さらに必要経費については法人の経費に計上できるので、
サラリーマン、個人事業主よりも税制上有利であるといえます。

 ③法人は、法人の利益と役員報酬の配分が可能

役員報酬については、一定の制限がありますが、社長になると、
法人税の対象となる「法人の利益」と所得税の対象となる「社長の役員報酬」をある程度コントロールして
配分できるということになります。(どのくらい有利になるのか、こちらで触れております。)

所得税と法人税の税率は異なりますので、法人に利益を残すのか、
社長自身に役員報酬で支払うのかによって、税金の総額は大きく変わってきます。

逆に言うと、法人化するということは、所得税率と法人税率を考慮しながら、
役員報酬と会社の利益のバランスを考慮できる余地ができるということになります。

■サラリーマンの所得税について、事業主や会社がやらなければならないこと

もう一つ、サラリーマンから起業した場合に大きく変わるのは、雇用した人達の所得税を徴収し、
国に申告し、納税する義務があるということです。

サラリーマン時代に、毎月の給与明細をみると、給料の総支給額から「源泉所得税」や
「社会保険料」などがけっこうな金額で天引きされて、手取り金額と総支給額の差額って結構大きいですよね。
これこそが、正に、会社や事業主が、サラリーマンであるあなたの所得税を徴収していたという証拠になります。

会社は、あなたから徴収した「源泉所得税」を毎月(若しくは半年に一度)税務署に納めているのです。
そして年末に一度「年末調整」というかたちで詳細に「扶養の人数」や「生命保険の金額」などを加味して、
サラリーマンの所得税額を計算し、源泉徴収額との差額を精算したうえで、確定の納税をし、
税務署やサラリーマンの住む各市区町村に給与支払情報を提出しているのです。

起業して、人を雇用する場合には、これらの義務を個人事業主であれ、
会社であれ負担することになります。

サラリーマンが基本的に確定申告しなくてもよいのは、裏側で会社が上記の義務を負い、
事務処理をしてくれているからなのですね。起業すると、逆の立場に変わりますから、
結構大変そうですよね?はい、大変です(笑)

ちょうど、1月末が「給与支払情報」を税務署と各市町村に送る期限であり、更に、
「源泉徴収」などの情報を税務署に提出する期限であったりするので、
弊社も現在、フル稼働の中、このブログを執筆しております(汗)

■サラリーマン・個人事業主・法人の税金面での違い

サラリーマン、個人事業主、法人の税金面の違いを、一覧で見てみましょう。

サラリーマン・給与所得控除が使える
個人事業主・必要経費を計上できる
法人・必要経費を計上できる
・社長の役員報酬を経費にできる
・役員報酬に給与所得控除が使える

サラリーマンの場合は社会保険料などが天引きされることもあり、手取りは少なく見えますが、個人事業主は自分で別途支払わなければなりません。

ちなみに、給与所得控除は下記の内容です。

スクロールできます
給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票での支払い金額)給与所得控除額
1,625,000円まで550,000円
1,625,001円~1,800,000円収入金額×40%-100,000円
1,800,001円~3,600,000円収入金額×30%+80,000円
3,600,001円~6,600,000円収入金額×20%+440,000円
6,600,001円~8,500,000円収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上1,950,000円(上限)

参照:国税庁|給与所得控除

■サラリーマン・個人事業主・法人の税金比較

以下、サラリーマン、個人事業、法人の税金についての所得税と法人税の比較表を年間600万円の売上・給与の場合で作成してみました。

サラリーマン所得税(給与所得控除:収入金額×20%+440,000円)
個人事業主所得税20%(427,500円控除)
法人法人税15%

【参考リンク】

源泉徴収義務者について
年末調整について

ただし、サラリーマンでも年末調整して終わりではない方もいます。
給与の年間収入金額が2,000万円を超える人や、2か所以上から給与をもらっている方など、
下記の方々は、確定申告が必要となります。

給与所得者で、確定申告が必要な人

また、支払うべき税金は、所得税や法人税だけではありません。

サラリーマン・所得税
・雇用保険料
・健康保険料
・厚生年金保険料
・住民税
個人事業主・所得税
・消費税
・事業税
・住民税
法人・法人税
・法人住民税
・法人事業税
・消費税
・印紙税
・源泉徴収した分の所得税
・住民税
・固定資産税
・自動車税
・自動車重量税

上記のように、さまざまな税金を支払う必要があることも覚えておきましょう。

■1月は、起業・法人化するのによいタイミング!?

起業のタイミングについて様々な要素はありますが、税金や申告のことを考えると、
1月起業というのは税金の計算上は、区切りのよい時期と言えます。

①12月までサラリーマン⇒1月から個人事業

12月までは年末調整で会社に任せて、1月から個人の事業所得として、
収益と経費を管理していくことができます。開業から確定申告まで1年間あるということになります。

一方で、仮に12月に個人開業の場合、12月の1か月の活動のために事業所得の計算と
11月までの給与所得を合算して、開業後1か月で確定申告をしなくてはならず、事務負担がかさみます。

②12月まで個人事業⇒1月から法人化

12月までは個人事業所得の確定申告、1月からは法人の経理を行い、経営者自身の所得は
会社として年末調整をすればよいので、区切りがよいです。

一方で、仮に12月法人化の場合、11月までの事業所得と、12月の役員報酬(給与所得)を
合算させて確定申告するほか、会社としては、設立1か月にして年末調整の事務が生じますので、
事務負担となります。
こちらはあくまで、事務手続き上の区切りのよさ、というお話ですので、ご参考までに。

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